教材のコンセプトと口頭試問の関わり

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アテナイブログを担当しておりますKodabou(コダボウ)です。今回は、ブログ担当のKodabouが記事をお届けします。

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「光陰矢の如し」というように月日が経つのは早いもので、寒い日が続いていても、あと1か月ほどで春分を迎えますよね。言われてみれば、日の光が、元気に、強くなってきているように感じます。

スーパーには、菜の花、ふきのとう、こごみ、ワラビなど、少し苦い春野菜や山菜が並び始めました。「春は、苦いものを食べると体に良い」と、昔から言われております。一説によると、その根拠としては、お正月に脂っこい豪華な物を食べた身体をリセットできるからと言われております。

さて本日は、アテナイで使われる教材の具体的な例を示し、それらと口頭試問との関わりについて、ご説明させていただきたいと思います。

まずは、ステップ1の基礎からです。

教材のコンセプト

ステップ 1 基礎

 

[1] 初めて登場する専門用語の定義を知り、口頭で説明できるようにします。

 これまでの指導経験上、物理・化学を不得手としている方は、「専門用語の意味を正しく把握できていないため、問題文の意味を理解できない」という悪循環に陥っている傾向があります。

 そのため、アテナイでは「専門用語の定義を口頭で説明できるようになること」をステップ1における最重要課題と捉え、教材では、専門用語の定義を簡潔に示しています。この専門用語の定義については、折に触れて細かく口頭試問で確かめ、定着させていきます。

また、定義の理解を促進するために、具体例や補足説明を付記しています。

[2] 論理的に思考するとはどういうことなのか、例を通して学びます。

 基本的な例題を用いて、論理的な説明を練習していただくことになります。たとえば、初めは「◯◯です。」のように、一単語や一文で答えることが精一杯だったとしても、専門用語の意味を踏まえることで、以下のように、論理的に説明する練習を行います。

 「◯◯です。したがって、◇◇です。」

 「◯◯だから、◇◇であり、その結果△△であることが導けます。」

 論理的思考をつなげていくことで、入試で求められる長い答案を作成できるようになり、自信をもって受験勉強を継続することができるようになると考えております。

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では、以下に、化学を例にとって、具体的な教材例を、ごく一部を抜粋して提示いたします。

教材例

① 生成熱 

 化合物 1 mol がその成分元素の単体から生成するときの反応熱。

 (例)メタン CH4 の生成熱は 74.9 kJ/mol である。

     C(黒鉛)+2 H2(気)=CH4(気)+74.9 kJ

 ・単体の生成熱は 0 とする。

 ・同素体が存在する場合、25 ℃で最も安定な同素体から生成する反応を用いる。

上記のように、アテナイの教材は、専門用語の定義を明確に示しつつ、理解を促進するため、具体例や補足説明を追記しています。

⑴ 専門用語の意味

問 生成熱とは何か。

(正答例) 化合物 1 mol がその成分元素の単体から生成するときの反応熱。

(具体例)メタン CH4 の生成熱は 74.9 kJ/mol である。

上記のように、専門用語は必ず口頭試問しますので、改めて設問として掲載しています。

入試問題の記述の練習も兼ねております。

⑵ 論理的思考例

問 黒鉛 C を完全燃焼して、2.00 mol の二酸化炭素 CO2 が生じたとき、788 kJ の熱が

発生した。二酸化炭素 CO2 の生成熱〔kJ/mol〕を有効数字 3 桁で求めよ。

(正答例)二酸化炭素 CO2(気)の生成熱を Q 〔kJ/mol〕とすると、1 mol あたり Q

〔kJ〕の熱が発生することから、二酸化炭素の物質量と熱量の比より

1:Q=2.00:788

よって、Q=394 kJ/mol (答)

上記のように、専門用語の定義を用いて、論理的に解答を導く例を示しています。

では、ステップ2の応用では、どのようなのでしょうか。

ステップ 2 応用

[1] 全範囲を一巡した後に、専門用語の意味を再検討します。

 化学の様々な分野を知った後に、入試標準問題を解くことで、改めて専門用語の意味を考え、より踏み込んだ理解を得ることを目指します。

この段階においても、口頭試問で専門用語の意味を確認しつつ、一歩踏み込んだ細かい質問のやり取りを行うことで、生徒様の頭の中で様々な論点が自然と結びつき、論理的思考の基礎が形成されることを促しております。

[2] 入試標準問題を解くことで、比較的長い論理的思考ができるようになります。

 ステップ 1 で習得した論理的思考を活かし、様々な論点をつなげることで、さらに論理的思考を深化させ、長い思考ステップによって具体的な問題を解くことを目指します。

ステップ2では、ステップ1 で習得した事項を示し、専門用語を「入試問題を解くための意味」という観点から再検討します。標準的な入試問題を用いて、解答に至る論理展開を考えて頂きますが、ここにおいても、「講師が一方的に解答を述べるのではなく、あくまで生徒様の考えを促進するための「口頭試問」役に徹すること」がアテナイの特徴です。これにより、生徒様が考えを進めることができます。

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以上の内容、いかがでしたか。今回は、ここまでとなります。

では、末筆となりましたが、受験本番に挑まれている受験生の皆様は、防寒対策だけは忘れないようにしながら、悔いのないように全力を発揮してほしいと思います。風邪をこじらせて力を発揮できないことだけは、避けたいですからね。そして、春は別れと出会いの季節ですから、4月からは爽やかに微笑みながら元気に新生活を迎えてほしいと思います。

また、この4月に、新たに高校3年生、高校2年生、高校1年生になる方は、先輩方のあとに続いて、コロナを吹き飛ばすくらいのエネルギーで勉強を進めて合格を勝ち取ってくださいね。

投稿者プロフィール

Kodabou
Kodabou
根っからの語学マニア。大学院では、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ラテン語、古典ギリシャ語、韓国語を学んだ。日本にいる外国人と外国語で話すより、現地の国へ行って外国語で話すのが好き。