化学方程式の作り方を徹底解説!難関理系大学の受験でも使える計算方法とは?

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大学受験において、化学反応式は必須の知識です。マスターすることで、他の受験生と大きな差をつけることもできます。

しかし、何から覚えたら良いのか分からず、苦手とする人も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では、「頻出の化学反応式」と「化学反応式の簡単な作り方」について、解説していきます!

さらに、最後には化学反応式がどうしても苦手という方へ、読者限定のプレゼントを用意しておりますので、是非最後まで読んでみてください。

受験で役立つ化学反応式の基本とは?

化学

まず初めに、化学方程式について、用語の解説や簡単な作り方を解説していきます。

そもそも化学反応式とは?

化学反応式とは、ある物質が別の物質になる化学変化を表す式です。反応する物質を「反応物」、反応してできた物質を「生成物」といいます。

 

例) 水素と酸素が反応して、水ができる

この場合、「反応物」は「水素と酸素」、「生成物」は「水」となります。

化学反応式では、以下のように表せます。

2H2 + O2 → 2H2O

 

化学反応式で重要な原則は、「化学反応が起こっても、原子の種類や数は変化しない」ということです。

ただ化学式を矢印で繋げば良いというわけではないことが、難しいポイントです。

例) H2 + O2 → H2O

こちらは誤りです!

 

化学反応式の作り方

では、どのようにして化学反応式を作れば良いのでしょうか。ここからは例を挙げて解説していきます。

 

例1) 炭酸カルシウムと塩酸が反応して、塩化カルシウムと二酸化炭素と水ができる反応

理科の授業で、卵の殻に塩酸を加える実験をしたことはあるでしょうか。

炭酸カルシウムは、石灰石や大理石、貝殻などの主成分で、塩酸を加えると二酸化炭素が発生します。

 

左辺に反応物、右辺に生成物を書き、両者を矢印で結ぶ

CaCO3 + HCl → CaCl2 + CO2 + H2O

 

    それぞれの化学式の前に「係数」をつけ、左辺と右辺でそれぞれの元素の原子の数が等しくなるようにする

CaCO3 + HCl → CaCl2 + CO2 + H2O

 

左辺でCa原子は1つ、右辺でCa原子は1つ

左辺でC原子は1つ、右辺でC原子は1つ

左辺でO原子は3つ、右辺でO原子は3つ

→Ca原子、C原子、O原子の数は左右で同数

 

左辺でH原子は1つ、右辺でH原子は2つ

左辺でCl原子は1つ、右辺でCl原子は2つ

→H原子とCl原子の数は右辺が2倍

→原子数を揃えるために、左辺のHClの係数を2とする

CaCO3 + 2HCl → CaCl2 + CO2 + H2O

 

例2) 水酸化カルシウムと二酸化炭素が反応して、炭酸カルシウムと水ができる反応

 

例1の実験では、二酸化炭素の発生を「石灰水が白く濁る」という反応で確認できます。

こちらについても、化学反応式を作ってみましょう。

*石灰水は「水酸化カルシウム」を溶かした水溶液です。

 

    左辺に反応物、右辺に生成物を書き、両者を矢印で結ぶ

Ca(OH2) + CO2→ CaCO3 + H2O

 

    それぞれの化学式の前に「係数」をつけ、左辺と右辺でそれぞれの元素の原子の数が等しくなるようにする

Ca(OH2) + CO2→ CaCO3 + H2O

左辺でCa原子は1つ、右辺でCa原子は1つ

左辺でC原子は1つ、右辺でC原子は1つ

左辺でO原子は3つ、右辺でO原子は3つ

左辺でH原子は2つ、右辺でH原子は2つ

→Ca原子、C原子、O原子、H原子の数は左右で同数

 

Ca(OH2) + CO2→ CaCO3 + H2O

 

以下の動画や記事では、炭酸カルシウムと塩酸の反応について詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

https://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005401206_00000

http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~hiroakio/2008/08ko-017.html


頻出の化学反応式

以下の化学反応式は、問題で特によく出題されます。自分で化学反応式を作れるかどうか、実際にやってみましょう。

反応物 生成物 化学反応式
炭素と酸素 二酸化炭素 C + O2 → CO2
水素と塩素 塩化水素 H2 + Cl2→ 2HCl
窒素と水素 アンモニア N2 + 3H2 → 2NH3
過酸化水素 酸素と水素 H2O2 → O2 + H2
ナトリウムと塩素 塩化ナトリウム 2Na + Cl2 → 2NaCl
炭酸カルシウムと塩酸 二酸化炭素と水と塩化カルシウム CaCO3 + 2HCl → CaCl2 + CO2 + H2O
塩酸と水酸化ナトリウム 塩化ナトリウムと水 HCl + NaOH → NaCl + H2

 

以下の記事にはその他の化学反応式も掲載されておりますので、ぜひチェックしてみてください。

https://kimika.net/hannoichiran.html

化学反応式とその係数【高校化学】化学反応式#1 - YouTubewww.youtube.com › watch

難関理系大学の受験で、他の受験生と差をつけるために必須なこととは?

勉強

 

ここからは、難関大学を受験するときに、私が実際に使っていた方法について解説していきます。

化学反応式を学習するときのコツ

化学反応式を解くためには、原子や分子の名前を正確に暗記することが重要です。

文章中に出てきた物質の化学式が書けないと、そもそも問題を解くことができなくなってしまいます。

上記した頻出の化学反応式以外にも、硝酸(NO3)や硫酸(H2SO4)、酢酸(CH3COOH)、金属などはよく問題に使用されます。

暗記の積み重ねが1点につながり、他の受験生との差をつけることに役立ちますので、コツコツ覚えていきましょう。

係数の設定には要注意

受験生が特につまずきやすいのは、係数の設定方法です。

複雑な反応になると、式に使う物質が増えて、こんがらがってしまう人も多いでしょう。

難関理系大学で出題される化学反応式は、使用される原子の種類も豊富なので、左右の原子数を合わせることがとても難しくなります。

つまり、化学受験で周囲と差をつけるためには、素早くかつ正確に係数設定をできるようにすることが、非常に重要となります。


係数の設定を克服するには

私自身がよく使っていたのは、「なるべくたくさんの元素で構成された物質の係数を1とする」方法です。

 

例) 銅と硫酸が反応して、硫酸銅(Ⅱ)と水と二酸化硫黄ができる反応

    左辺に反応物、右辺に生成物を書き、両者を矢印で結ぶ

Cu + H2SO4 → CuSO4 + H2O + SO2

 

    それぞれの化学式の前に「係数」をつけ、左辺と右辺でそれぞれの元素の原子の数が等しくなるようにする

  1.       多くの元素で構成されているCuSO4の係数を1としてみる

Cu + H2SO4 → 1CuSO4 + H2O + SO2

 

  1.       係数を1とした分子に入っていた原子に注目する

Cu原子が1つ、S原子が1つ、O原子が4つ

 

  1.       注目した原子について、左右を見比べる

Cu原子は右辺に1つ、左辺に1つ → ちょうど

S原子は右辺に1つ、左辺に2つ → 右辺が足りない

O原子は右辺に4つ、左辺に7つ → 右辺が足りない

 

  1.       原子の数を合わせる

右辺の原子が少ないので、S原子とO原子がどちらも入っているH2SO4の係数を2としてみる

Cu + 2H2SO4 → 1CuSO4 + H2O + SO2

S原子は左辺が2つ、右辺が2つでちょうどになった

 

O原子は左辺が1つ足りないので、1つだけ増やすためにH2Oの係数を2としてみる

Cu + 2H2SO4 → 1CuSO4 + 2H2O + SO2

O原子の数はちょうどになった

 

  1.       最初に1とした分子に含まれていない原子の数を確認

H原子は左辺で4つ、右辺で4つとなっているのでちょうど

Cu + 2H2SO4 → CuSO4 + 2H2O + SO2

化学方程式のまとめ

今回は、化学反応式の簡単な作り方について、解説しました。

化学では暗記すべき事項も多いですが、自分で化学反応式を作れるようになれば、暗記量を減らすこともできます。

また、難関理系大学では、暗記だけでは解けない問題も出題される場合があります。

化学反応式は高校化学の土台となるので、苦手をきちんと克服すると、高得点を狙うこともできます。

ぜひ記事を生かして、勉強してみてください。

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投稿者プロフィール

Soko
Soko
埼玉県出身で私立医大に在学中。高校時代は部活に打ち込み、週の半分以上を練習にあてていました。物理や化学で、効率よく勉強を進めていく方法について、実体験をもとに解説していきます。